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Oculus QuestがPCVRに対応!Oculus Linkまとめ

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Oculus QuestにOculus Linkという機能が追加され、PCと有線接続することでPC向けVRコンテンツが遊べるようになりました。

はじめに

2019/11/20追記
2019/11/19にOculus Linkのβが開始されたので早速体験を元にいろいろ加筆修正しました。

Oculus QuestにOculus Linkという機能が追加され、USBケーブルでゲーミングPCと有線接続することでPC向けVRコンテンツが遊べるようになりました。
Oculus Questがどういうデバイスか、Rift Sとの違いは過去の記事とあわせて読んでください。 

Oculus Linkとは

QuestはスタンドアロンVRHMDであり、専用コンテンツを遊ぶのが基本でした。
VirtualDesktopなどアンオフィシャルにPCVRを遊ぶ機能は存在していましたが、快適に使うには無線ルータの設定やQuestストアにないアプリをSideload(非公式アプリをインストール)する必要があったりと少々高いハードルがありました。
それがOculus Linkによって公式に、手軽にUSBケーブル1本でPCVRコンテンツをRift/Rift Sのように遊べるようになりました。

遊べるコンテンツの幅

この機能によりOculus Questはもっとも多くのVRをコンテンツを楽しめるデバイスになったと思います。
まずQuest専用アプリは当然として、Goアプリにも対応します。

そしてOculus LinkによりPCと接続することでRift/Rift Sコンテンツに対応します。
Rift向けゲームにはSteamVRには存在しない独占タイトルがあります。

The Climb

公式PVはTouch対応前で古いのでキズナアイちゃんのプレイ動画

MARVEL Powers United VR

ぼくも序盤のプレイ動画を公開しています。

他にもOculus独占のハイクオリティなタイトルが遊べます。

さらに新作も

Medal of HonorシリーズのVR

盾と剣で戦うアクションゲームAsgard’s Wrath

オープンワールドアクション・アドベンチャーStormland

などの大作も続々と発売されます。
これらはOculus独占タイトルなので、基本的にViveシリーズやWindowsMRでは遊べません(ただしReviveなど、Oculus用ゲームをSteamVRで動くようにする非公式ツールがあるので、それらを活用すれば遊べる可能性はある)。

そしてSteamVRもRift/Rift S同様に遊べることも判明しました。

つまり!Quest/Go/Rift専用コンテンツに加えてSteamで販売されている膨大なVRゲームもプレイ可能になるということですね。

PCとの接続

USB-Cケーブル1本で接続するだけで使えます。
VirtualLinkやDisplayPortすら不要で、普通のUSB3接続ひとつでOKです。
初代Rift+Touchが最低でUSBケーブル3本+HDMIの合計4本必要としていたことを考えると隔世の感がありますね。
後継機Rift SでもUSB+DisplayPortが必要だったので、それよりさらに簡単ですね。

最強すぎじゃね?Rift Sの存在意義なくね?

ここまでの話だとそんな気がしますが、弱点もあります。
VirtualLinkやDisplayPortやHDMI接続なら映像をそのまま転送できますが、USBケーブル1本でPCが作った映像をQuestに転送するとなるとどうしても画質の劣化や遅延が発生することになります。
パネル解像度的にはRift SよりQuestのほうが上ですが低解像度で転送されるようでぼくの体感としては旧モデルの無印Riftと同程度に感じます。
また、HMD自体もQuestは重めです。スタンドアロンなのでバッテリーやCPUなども積んでいるわけでRift/Rift Sに比べて重いです。両手コントローラーのトラッキング範囲も、Rift Sに比べると若干落ちます。
なのでQuest/GoのスタンドアロンVRコンテンツに興味がないなら、Rift Sのほうが体験の質はよいでしょう。

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実際に試してみた

というわけで2019/11/19にβ実装されたので試してみました。

画質

Riftと同等に感じます。パネル解像度はQuestのほうが高いため、精細さの向上を期待しましたがほとんど変わりません。周辺視野のほうの解像度が低くなっているようですが、よほど注意しないとわからないレベル。Riftとの比較なら同程度、RiftSとの比較なら劣るといった感じだと思います。

遅延

ありますが、とても小さいです。ほぼ感じません。ほとんどのゲームで問題ないと思います。BeatSaberなどの音ゲーも実用レベルでプレイ可能なほど低遅延だと思いますが、敏感な人は気になるかも。

ラッキング

これは方式が変わるわけではないので普通にQuestを使うのと同じですね。良好です。
大雑把な比較ですが、Rift(センサー3本)>RiftS>Quest>Rift(センサー2本)といった感じでしょうか。

音質

音はもともとQuestのスピーカー自体があまりよくないのもありますが、特に劣化しているようには感じません。接続した当初Questのスピーカーから音が再生されずPCのスピーカーから音が出たのですが、OculusHomeの設定→ベータから再起動したらQuestから音がでるようになりました。

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接続方式

USB3.0のTypeCケーブルが必須です。
Questに付属しているケーブルはType-CですがUSB2.0なので使えません。つまり別途用意する必要があります。
アップデートでUSB2.0にも対応しました。付属ケーブルも使えます。ただしUSB Type-C端子がPC側にも必要ですので、ない場合はどのみち購入する必要があります。 

USB3.0の延長ケーブルはCable MattersのものとElecomのもの持っているので検証しましたが、Cable Mattersは問題なく動作しましたがElecomのものは不安定でした。 

Virtual Desktopとの比較

PCVRをQuestでプレイするソリューションとしてVirtual Desktopがありまが、簡単に比較します。Virtual Desktopは11acのルータをQuest専用に1台用意し、1.8.0(sideload)で800Mbpsリンクのおそらく理想的な環境でのテストです。

画質の良さ Virtual Desktop>Oculus Link
明確にVirtual Desktopが上です。Questのパネル解像度が生かされてるように感じます。無線ルータとの接続が良好ならノイズもほとんど感じません。

遅延の小ささ Quest Link>Virtual Desktop
Quest Linkが上ですが、映像に関してはVirtual Desktopも同等に低遅延だと思います。音に関しては完全にQuest Linkのほうが低遅延だと思います。Virtual Desktopは音ゲーは少々厳しいですが、Quest Linkは実用レベルだと思います。

接続の簡単さ Quest Link>Virtual Desktop
USBケーブル1本でOKのQuest Linkに対してVirtual DesktopはソフトをSideloadしたり高速ルータを安定した接続ができる環境に置く必要があったり少し大変です。
ただしVirtual Desktopはなんともいっても無線ですから、そこに圧倒的なアドバンテージがあるとは思いますが。

というわけで遅延が影響するゲームはQuest Link、そうでないゲームはVirtual Desktopのほうが現時点では快適かと思います。

まとめ

Oculus Questはこのアップデートで最高の入門機になることは間違いないと思います。
ゲーミングPCをもっていなくても5万円でOculus Questを買うだけでスタンドアロンVRゲームで楽しむことができ、それに物足りなくなったとしてもゲーミングPCに繋げばPCVRも楽しめる。かなりスキのないデバイスになったと思います。
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